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予防策

厚生労働省では、「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後にくすり」というスローガンをかかげ、国民に健康を促しています。また、世界的な流れを受けて、「特定健診・特定保健指導」の中で、新たに内臓脂肪蓄積を診断するために「ウェスト周囲径」の測定を検査項目に加えました。

 

メタボリックシンドロームというのは、血糖や脂質、血圧が治療を要するほど高値でなくても、知らない間に動脈硬化が進行してしまうので、そうならないためにも普段から生活習慣に注意をはらう必要があります。そもそもメタボリックシンドロームを取り入れた基本的な考え方は、動脈硬化をはじめ、生活習慣病を未然に防ごうということですので、その意味でもメタボリックシンドロームの予防が大変重要になってきます。そこで、ここでは基本的な予防法について考えてみたいと思います。

 

 

【食事】

 

メタボリックシンドロームを予防するためには、栄養のバランスを考えた食事を心がけ、一日に必要なエネルギー量を把握して、食べすぎない様に注意することが大切です。特に脂質には注意しましょう。脂質をたくさん摂るという事は、エネルギーをたくさん摂るという事です。中でも牛肉などの飽和脂肪酸を多く含む食品をなるべく控え、青魚のような不飽和脂肪酸を含む食品を代わりに摂る様に心がけると良いでしょう。飽和脂肪酸を多く含む食品はコレステロールの原因にもなります。

 

また、糖類の摂りすぎもエネルギーの摂りすぎに繋がり、中性脂肪を増加させたり、インスリン抵抗性となって現れたりしますので、なるべく減らすようにしたいものです。特にブドウ糖、果糖などの単糖類や、砂糖に含まれるショ糖など二糖類は吸収が早く、血糖値を上げ易くなりますので、炭水化物、玄米や全粒粉パンなど、ゆっくりと糖質に変わる多糖類などからの摂取が良いでしょう。

 

さらに、野菜・食物繊維の摂取量を増やしましょう。ビタミンは体の中で抗酸化作用や抗ストレス作用などの働きがあるため、メタボリックシンドロームの予防や改善に大変効果があります。また、ビタミンを多く含む食材を多く取り入れると、血液中の成分のバランスを整える助けをしてくれたり、ストレスを緩和してくれたりという効果もあります。

 

メタボリックシンドロームの予防・改善に効果的な食材

① 食物繊維

モロヘイヤ、グリーンピース、パセリ、ごぼう、枝豆、オクラ、しそ、ブロッコリー、わかめ、大豆、納豆、れんこん、さつまいも、玄米、海藻類、きのこ類など

 

 

腸内のきれにし、コレステロールや有害ミネラルを吸着して排出を促してくれます。

② オメガ3系脂肪酸

イワシ、ニシン、サパ、サケなどの青魚

血液をさらさらにして、中性脂肪を抑える効果があります。

③ ファイト、ステロール

綿実、大豆、コーンなどの植物

コレステロールの吸収を防止します。

④ カテキン

緑茶

抗酸化作用があります。

 

⑤フラボノイド

ブドウ・ブルーベリーなど

強力な抗酸化作用を有し、活性酸素の害を抑え、血液中の悪玉コレステロールの酸化を防ぎます。

 

たんぱく質

大豆、肉・魚・牛乳・チーズ・ヨーグルトなど

効率よく筋肉量を増やすことができるので基礎代謝を上げる効果があります。ただし取りすぎに注意。

 

⑦ビタミン、ミネラル

緑黄色野菜、果物、ナッツ類、レバー、わかめ、昆布、海苔などの海藻類、椎茸などのキノコ類、納豆など

 

 

身体の調子を整えます。

 

 

 

食事のポイント

 

1. 早食いをやめる。

2. 夜食をやめる。

3. 食事は腹八分目を心がける。

4. 食事は1日3食、規則正しく時間を決めて食べる。

5. 腹八分目を心がけ、食べ過ぎない。

6. ゆっくりよく噛んで食べる(一口に20回以上)。

7. お菓子や甘いものを控え、買い置きしない。

8. 栄養のバランスのとれた食事をする。

 

 

【運動】

 

内臓脂肪を溜め込まないためには、食事に気を付けると同時に、運動をして消費カロリーを増やす必要があります。食事制限だけでは筋肉が落ちてしまい代謝も落ちてしまうので、運動をして筋肉を減らさないようにしながら内臓脂肪を減らしていくことが大切です。食事をバランスよく取りながら、有酸素運動で脂肪を燃やすことを心がけましょう。

 

運動の役割には、体脂肪を燃焼させる役割と、体の基礎代謝を高める役割があります。まず、余分についた体脂肪を燃焼させるためには、有酸素運動が重要です。有酸素運動とは、ウォーキングやジョギング、エアロビクスなどのように時間をかけて心肺機能を刺激することで、体内の糖質や脂肪を酸素とともに燃焼させる運動のことを言います。以前は20分以上続けないと脂肪が燃えないと言われていましたが、最近の知見では10分位でも、余熱で脂肪の燃焼が起こると考えられています。

また、ヒトは安静時でもカロリーを消費しており、これを基礎代謝といいますが、筋肉が増えれば安静時でもカロリーを消費する量が増えて、余分に摂取したカロリーを有効に消費することができます。そこで、筋肉を増やすための運動としてダンベル体操や筋肉トレーニングなどの無酸素運動が有効になってきます。このように、有酸素運動による脂肪の燃焼と無酸素運動による筋肉の増量を組み合わせて行うことが大切です。

 

運動のポイント

 

1.早歩きなどの有酸素運動を10分以上毎日行う。
2.ダンベル体操、筋肉トレーニングなどの無酸素運動を行う。

 

しかし、そうはいってもなかなか運動できないという人は、日常生活の中で動くことを考えてみると良いかもしれません。たとえば、エスカレーターではなく階段を使うとか、電車では座席に座らず、吊革につかまってかかとの上げ下げでヒップアップをするとか、車での移動を控え、徒歩や自転車を利用するなどといった小さなことの積み重ねで消費エネルギーを消費することも大切です。チリも積もれば山となるで、消費エネルギーの増加につながります。

 

 

【生活習慣】

 

日常の何気ない習慣が、病気を引き起こす大きな要因になっているので、自分の生活習慣そのものを見直してみることも大切です。

 

・タバコ

 

タバコは自分にも他人にも「百害あって一利なし」です。ガンの危険因子になるだけでなく、たばこはHDL(善玉)コレステロールを減少させ、逆にLDL(悪玉)コレステロールを酸化させて血管壁に入り込みやすくして心臓病や高血圧、動脈硬化を招きやすくします。

 

・お酒

 

少量であれば問題ありませんが、お酒の飲み過ぎや、お酒と一緒にオツマミの食べ過ぎでカロリーオーバーになってしまうことがないか注意しましょう。

 

・早寝早起き

 

早寝早起きは健康的な生活に欠かせません。もともと人間の体は太陽が出るとともに目覚め、沈むとともに眠るという生体リズムが備わっています。ですから健康を保つには、このリズムを崩さないことが大切なのです。遅くとも0時前に寝て、7~8時には起きる習慣をつけましょう。

 

・疲れをためない

 

日頃がんばりすぎて体が疲れていると、休日はごろごろしたくなるものです。しかし、これではメタボの危険が増すばかりです。「疲れたな」と感じたら早めに休息をとり、休日は運動で汗を流すようなライフスタイルを身に着けましょう。

 

・ストレス

 

ストレス発散のために、食べたり、飲んだりしたくなるものです。しかし、これではあっという間にメタボになってしまします。趣味やスポーツなど、自分なりのストレス発散の方法を見つけましょう。

 

 

【水】

 

メタボリックシンドロームの予防として、水をたくさん飲むのも効果的です。体内に水をどんどん循環させることによって、体の中から老廃物などをどんどん排出してくれます。多少トイレが近くなりますが、尿が透明になって、体から毒素が出て行っていることを実感すると思います。

 

また、水を飲むことにより、膨満感があるので、過食がしにくくなります。つまり、水分補給は毒素を出すと同時に過分な栄養を摂らないという一石二鳥の効果が得られるのです。ただし、食前や食事中に水を飲むのは胃液を薄めてしまうのであまり良くありません。水はなるべく食間に飲むようにしましょう。

 

また、一日に飲む水の目安としては、2L以上が良いとされています。2Lの水というと結構多く感じるかもしれませんが、健康になり、メタボリックシンドロームの予防になると思えば、楽しいものです。