メタボチェック
メタボリックシンドロームは、自分でも簡単なチェックが可能です。ここでは、その方法についてご紹介したいと思いますが、メタボリックシンドロームにはいくつかの判断基準があります。
【メタボリックシンドロームの判断基準】
① WHOによるメタボリックシンドロームの診断基準(1999 年)
2型糖尿病、耐糖能障害、空腹時高血糖、インスリン抵抗性のいずれかがあり、それに加えて、
1.内蔵脂肪に関して
男性の場合、ウエスト÷ヒップが0.9以上、女性は0.85以上、またはBMI(体重[kg]÷(身長[m])²)が30以上。
2.脂質代謝異常に関して
中性脂肪150mg/dl以上、またはHDLコレステロールが男性35mg/dl未満、女性39mg/dl未満。
3. 高血圧に関して
140/90mmHg以上か、もしくは降圧剤内服中。
4. 微量蛋白尿に関して
尿中アルブミン排泄率20μg/min以上か、尿中アルブミン÷クレアチニンが30mg/g.Cr以上。
上記の4項目中、2項目以上を満たす場合、メタボリックシンドロームとされ、2型糖尿病の早期発見を目的として提案された診断基準です。
参考:BMIでわかる肥満度
BMI肥満度 BMI=体重[kg]/(身長[m]) ²
例) 身長が160cmで体重が60kgの場合は、60÷(1.6×1.6)なのでBMIは 23.43 となります。BMIによる肥満度は次のように分類されます
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低体重 (やせ) |
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BMI < |
18.5 |
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普通体重 (正常) |
18.5 |
≦ BMI < |
25 |
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肥満 |
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BMI ≧ |
25 |
(日本肥満学会肥満症診断基準検討委員会,2000年)
② NCEP-ATPⅢの診断基準(2001年)
米国の脂質関連の研究者が中心となり、冠動脈疾患を発症し易い疾患として、以下のようなWHOとは異なったメタボリックシンドロームの判断基準が提案され、世界的に最も多く用いられています。
1. 腹囲
腹囲に関して、男性は40inch(102cm)以上。女性は35inch(88cm)以上。また、内臓脂肪の評価としてBMIが30以上。
2. 空腹時HDLコレステロール
空腹時のHDLコレステロールが男性の場合40mg/dl以下、女性の場合50mg/dl以下。
3. 空腹時中性脂肪
空腹時の中性脂肪が男女共に150mg/dl以上。
4. 血圧
血圧が男女共に130/85mmHg以上。
5. 空腹時血糖
空腹時の血糖値が男女共に110mg/dl以上(2004年に100mg/dl以上に改定)。
上記の5項目のうち3項目以上を満たす場合を、虚血性心疾患の危険因子の集積群としてのメタボリックシンドロームと定義しました。
*WHOとNCEP-ATPⅢとの違いは、WHOが2型糖尿病の早期発見に重点を置き、尿中微量蛋白を診断基準に取り入れている点にあると言えます。
③ IDF(International Diabetes Federation)の診断基準(2005年)
2005年には国際糖尿病連合(IDF)の基準が発表され、NCEP-ATPⅢと類似する点が多くありますが、腹囲を人種別に規定したり、血糖の基準を低値にとり、薬物治療をしている場合も含めている点に違いがあります。
④ 日本内科学会および関連学会の診断基準(2005)
日本人は欧米人と比較して内臓脂肪がつきやすいという人種的な差異が存在します。そのため、NCEP-ATPⅢの研究結果をそのまま日本で用いることには当初から疑問がありました。そこで、2005年4月に日本人に適合したメタボリックシンドロームの診断基準を作るために、日本動脈硬化学会、日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本肥満学会、日本循環器学会、日本腎臓病学会、日本血栓止血学会、日本内科学会が集まり、共同で日本におけるメタボリックシンドロームの診断基準を考案しました。
この診断基準では、内蔵脂肪蓄積を必須としたことや、高中性脂肪と低HDLコレステロール血症をまとめて脂質代謝異常としたこと、また、脂質異常、高血圧、高血糖の3項目のうち2項目以上を保有する場合を本症候群としたことなどが、NCEP-ATPⅢとの違いです。
内科学会関連8学会のメタボリックシンドロームの診断基準
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男性≧85cm |
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上記に加え以下のうち2項目以上を満たす場合 | |
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1)脂質異常 |
中性脂肪 ≧150mg/dl |
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2)高血圧 |
収縮期血圧 ≧130 |
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3)高血糖 |
空腹時血糖値 ≧110mg/dl |
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検査時の結果が上記を満たしていなくとも、高脂肪血症、高血圧症、糖尿病に対する薬剤治療を受けている場合は、それぞれの項目に含めるものとする。 | |
⑤ 厚生労働省の調査(2006)
2006年、厚生労働省は脂質異常で中性脂肪を省き、血糖値を用いずにヘモグロビンA1cを導入し、判定で予備軍と強く疑われる者を定義しました。
厚生労働省のメタボリックシンドロームの診断基準
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ウエスト周囲径 |
男性≧85cm |
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上記に加え以下のうち1項目を満たす場合を予備軍、2項目以上を強く疑われる者とする。 | |
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1)血中脂質 |
HDLコレステロール<40mg/dl |
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2)血圧 |
収縮期血圧≧130かつ/または 拡張期血圧≧85mmHg |
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3)血糖 |
ヘモグロビンA1c≧5.5% |
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検査時の結果が上記を満たしていなくとも、高脂肪血症、高血圧症、糖尿病に対する薬剤治療を受けている場合は、それぞれの項目に含めるものとする。 | |
*厚生労働省の用いた診断基準で国民生活基礎調査の調査地区から40~74歳までの無作為に抽出した解析では、男性では予備軍が26.0%、強く疑われる人が25.7%存在し、メタボリックシンドロームを考慮すべき人は合計51.7%、女性ではそれぞれ9.6%、10.0%、合計19.6%に達するという報告をしました。
【参考:子供のメタボリックシンドローム判断基準】
・ウエスト周囲径
中学生80cm以上、小学生75cm以上、もしくは、
ウエスト周囲径(cm)÷身長(cm)=0.5以上
かつ以下の項目のうち2項目以上
・トリグリセライド(中性脂肪):120mg/dL以上
かつ/またはHDLコレステロール:40mg/dL未満
・収縮期(最大)血圧:125mmHg以上
かつ/または拡張期(最小)血圧:70mmHg以上
・空腹時血糖:100mg/dL以上
【腹囲の正しい測り方】
腹囲は、ずぼんやスカートなどのウェストの位置ではなく、おへその高さで、衣服をつけない状態で計ります。
以下の事項を注意しましょう。
① 食後はさけ、
② 立った姿勢で、
③ 息を吐いて、
④ へその高さで、
メジャーを水平に巻いて測定します。へその位置が下に移動しているときは、肋骨の下縁と前上腸骨棘との中点の高さで測定します。
【生活習慣からみるメタボ度チェック】
・運動から遠ざかっていないか
厚生労働省の統計によると、1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続しているような運動習慣がある人の割合は、20~50歳代男性、20~40歳代女性で低くなっていて、特に若い年齢層ほどその傾向が強いそうです。あなたはいかがですか?
・朝ごはん、しっかり食べているか
厚生労働省の統計をみると、朝食の欠食率は平成11年以降、全体的に男女とも増加していて、男女とも20歳代が最も高いそうです。規則正しくバランスよい、適切な量、回数を摂ることはメタリックシンドロームの予防につながります。食事を抜かずにきちんと食べることで、血糖値の上下も穏やかになります。
・食べすぎ飲みすぎはないか
一般的に成人男性の一日の消費カロリーは2200~2500キロカロリーと言われていますが、最近の傾向として、脂肪からのエネルギー摂取が増えているそうです。炭水化物やたんぱく質などからバランスよくカロリーを摂取するのが理想ですが、必要以上に脂肪からカロリーを摂取すれば、当然メタボリックシンドロームに危険性が増します。
【メタボリックシンドローム検査キット】
病院に行って検査する時間のない方には、メタボリックシンドロームの検査キットを使うのも良いかもしれません。キットでは血液検査を行い、高血糖、高脂血症、肝機能、腎機能などがチェックできます。そして、メタボリックシンドロームか否かを判定します。